プミポン・タイ国王死去、資産や人気、クーデターの噂などまとめ
プミポン国王死去・新華社電報道
タイのプミポン国王(ラーマ9世)が死去と新華社報道。88歳だった。
プミポン国王は今週容態が不安定と発表され、バンコクのシリラート病院に入院していた。
在位期間は70年以上に及び、近年は国内の政争やクーデター後の混乱収拾にも強い影響力を発揮してきただけに、
容態悪化の発表以来、タイの株式市場や為替相場にも影響が広がっていた。新華社
プミポン国王の資産
ラーマ9世はチャクリー王朝第9代のタイ国王(在位:1946年6月9日から)。通称プミポン・アドゥンラヤデート(プーミポン国王)と呼ばれその意味は「大地の力・並ぶ事なき権威」。英語や日本語では一般的に長母音を無視して「プミポン国王」と呼ばれるが本国タイにおいてはプミポーン・アドゥンラヤデートと一体で呼ばれるのが常識。
さてプミポン国王は世界の王室・ローヤルファミリーの中でも筆頭の資産家だ。2015年の段階でその総資産はなんと「3兆6000億円」と言われている。ちなみに2位にはワリード・ビンタラール・サウジアラビア王子の「2兆7000億円」とプミポン国王の方が軽く9000億円ほど上まっている。
プミポン国王の人気
タイにおいてプミポン国王の人気は半端ではない!タイを旅行したことがあればこのような写真を見たことがあるだろう。
wikipedia
タイの食堂やタクシーの中、はたまたショッピングセンターの壁などいたるところにプミポン国王の写真や絵が飾ってある。それほど一般のタイ国民から愛されているのだ。気をつけないといけないのはタイ人はもとより外国人がタイ王室の批判、中傷、侮辱などすると不敬罪でしょっ引かれるのだ。
またタイでは過去なんども政府と軍部のクーデターが繰り返されてきたのだが、そんなときにはプミポン国王が当事者を呼びつけ「そんなことで国民のためになると思うのか!双方ともいい加減にせよ!!」と叱りつけ一夜のうちにクーデターを沈静化したというエピソードがある。それほどまでにタイ国民に対して影響力とその人気があるのだ。
プミポン国王死去後にクーデターの可能性は?
今回プミポン国王が死去したことでクーデターの噂も流れ始めています。これまでにもタイでは国軍によるクーデターで憲法停止・国会解散 → 国軍中心の暫定政権 → 新憲法制定 → 総選挙 → 民政移管という過程を経て政権交代が行われてきた。 現在は2014年のクーデター以来プラユット陸軍司令官が暫定政権を切り盛りしてきた。2014年のクーデターの背景にはタイの大富豪タクシン・シノワット元首相とその妹インラック前首相による豊富な政治資金を利用した政権把握に危機感を感じた王室、官界、財界そして軍部が二人を排除する動きを強めた。かくして兄のタクシン・シノワットと妹のインラックを追放して彼らは既得権益を守ったわけだ。
それが今回プミポン国王が死去したことでタイ国内における大きなパワーバランスの変化が賢明化して農村部や貧困層を中心に人気の高いタクシン派が既得権力に意義を唱え再びデモ行動に出る可能性も十分考えられる。そうなると民主主義を希望するタクシン派対既得権益を維持する反タクシン派の市街地での衝突にも発展することにもなるだろう。加えて新国王誕生に伴う王族の立ち位置によってもタイの情勢は大きく変化するといえる。いずれにせよ大きな動きがあるとすればプミポン国王の喪が明ける来年1月から4月のチャクリー王朝記念日のころと予想される。