帰ってきたヒトラー(映画版)のネタバレ、感想と評価・6月17日公開
「帰ってきたヒトラー」の日本公開が今日6月17日から始まります。上映に先立ち試写会に参加しましたので、ちょいネタバレと感想&評価をお伝えいたします。
ネタバレ
この映画はもともと2012年に出版された小説で作者はドイツ人のティムール・ヴェルメシュ。ドイツをはじめヨーロッパ諸国でベストセラーとなった小説の同名映画。
第二次世界大戦末期ピストル自殺して遺体は火をつけられて処分されたはす"のあのアドルフヒトラー(オリバー・マスッチ)が現代によみがえり、コメディアンとして人気をえる。あの笑えるチョビヒゲも服装までもヒトラーそのものなのである。ヒトラーはある日さえない番組ディレクター・ファビアン・ブッシュ(ファビアン・サバツキ)にスカウトされ、テレビに出演。もっか彼の悩みは国民が彼に敬礼してくれないことだと言うのだ。その態度がどこか偉そう?! そしてアドルフヒトラーはカメラに向かって度肝を抜くようなすばらしい演説を繰り広げる。こうしてソックリさんとしてドイツ中を駆け回るヒトラーは次第にSNSでも取り上げられ、ドイツでは超有名人になって行く。途中にはヒトラーソックリさんの正体を暴こうとするマスコミの攻勢やテレビ局内での権力闘争、極右組織からの襲撃などがリアルに映し出される。それら現代の醜い事柄を目にしたアドルフ・ヒトラーが低レベルな番組批判や移民政策批判、はては現代のメルケル独政権批判などを展開し、そしていつの日か政治的復権を目指して選挙運動を始めるのでした。
感想
「帰ってきたヒトラー」はコメディー映画なのですが、ところどころにドキュメンタリータッチがちりばめられている。一番の驚きは「えっあのアドルフヒトラーをこんな役風でつかっていいの?」と原作の大胆さに驚かされる。(もしも、もしも日本で東条英機のコメディー映画を作ったならどうなるだろうと思っただけで寒くなった。。)そして作者のティムールヴェルメシュはれっきとしたドイツ人作家であり、ドイツ国内でベストセラーとなった話題作なのだ。「帰ってきたヒトラー」は移民政策や社会格差などさまさ"まな問題を抱える現代のドイツ社会を映し出し、かつ戦後ドイツの変貌をアドルフ・ヒトラーと言うフィルターを通して、風刺画的に描写しているそんな作品だ。
映画界ではあまり聞かない主役のオリバー・スマッチは実は舞台俳優だと言う。このオリバースマッチがはまり役のアドルフヒトラーを実に好演技で演じるのだ。「私はモノマネ芸人などではない!」とすっかりなりきっている姿や話術の巧みさ、そしてヒトラーが実は憎めないキャラでその当時のドイツ一般大衆の心を掴んでいたことなど、オリバー・スマッチは実に良く表現している。
評価
映画.com: 3.5/5
Yahoo映画: 4.2/5
Goosread: 4/5
キャスト
監督: デビッドベンド
アドルフ・ヒトラー: オリバー・スマッチ
ファビアン・ブッシュ: ファビアン・サバツキ
クリストフ・Mヘルプスト: クリフトフ・セ"ンセ"ン・ブリンク
カーチャ・リーマン: カチャ・ベリーニ
フランツィシカ・ウルフ: フランツィスカ・クレマイヤー
公開
6月17日から「ギャガ」系映画館で一般公開
公式サイトはこちら:映画『帰ってきたヒトラー』公式サイト
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